アイドルのライブ現場を何度か訪れると、最前列には毎回同じファンがいることに気付きませんか?また、複数のグループが参加する対バンイベントでは、最前列のファンがグループごとに入れ替わっている姿を見たことがありませんか?
上記のような場合の多くは、一部のファンによって最前列が組織的に管理されており、そうしたファンの人々の事を「最前管理」と呼びます。
この記事では、実際に2カ月前まで最前管理の一員であった山本氏(仮名)に情報提供をいただき、最前管理の正体と最新情報を徹底的に掘り下げていきます。
目次
最前管理にまつわる用語解説
詳しい解説をはじめる前に、本記事でも登場する最前管理にまつわる用語を解説します。最前管理に所属する人々は、最前管理特有の用語を用いて会話をしていることが多いです。
か行
壁子(名詞)
- 使用頻度:★★☆☆☆
- 使用例:「壁子やります!」
- 意味:ライブ現場では、リフトやモッシュ、推しのパートなどで最前列に突っ込んで来ようとする後方のファンが存在します。そこで最前管理は、最前列に加えてそのすぐ後ろの2列目も管理し、最前列に突っ込んでくるオタクをブロックして最前列にいる仲間を守る役割を担う人員、すなわち「壁子」を動員します。
管理枠(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「管理枠どこまで?」
- 意味:最前管理が確保しているバミ(詳しくは「バミ」の解説を参照)の事を管理枠と言います。例えば、ステージに向かって最前列中央(0バミ)から左手に2バミ(下2)目までと右手に1バミ(上1)目までを最前管理が確保している場合は、管理枠は「下2~上1の4枠」となります。
削り(名詞)、削る(動詞)
- 使用頻度:★☆☆☆☆
- 使用例:「今日削る?」
- 意味:開場時間が早いライブなどでは、早番チケットの所持者が開場に間に合わず、早番が抜け番号となることがあります。遅番のチケットの番号記載部分のみを書き換えて、早番の抜け番号を偽造する不正行為の事です。この不正行為は数年前に問題になり、従来よりも対策が厳しくなっているため、現在この不正を行う最前管理はごく少数とのことです。
さ行
初動(名詞)
- 使用頻度:★★★☆☆
- 使用例:「初動禁止」
- 意味:最前管理は、マサイ(詳しくは「マサイ」の解説を参照)を始める前に最前列にある柵に手を付いた状態で床を蹴り、体を背面に弓のようにしならせ、足が頭より高い位置に来るまで上げて、その反動を用いてマサイに入ります。このマサイに入るまでの一連の所作を初動と言います。初動は、足を高く上げ過ぎるとファンの侵入が禁止されている最前列の柵の前に落下する可能性がありライブハウスや運営からも問題視されています。また、2列目のファンの顔面を蹴り上げる可能性もあり、非常に危険で迷惑な行為です。
た行
叩き(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「2枚叩きます!」
- 意味:最前管理は早番チケットを入手することに努力を惜しみません。先着チケットを時間通りに購入する行為を叩きと呼びます。最前管理は多くの場合、BOT(詳しくは「BOT」の解説を参照)を用いて叩きを行います。
は行
剥がし(名詞)、剥がす(動詞)
- 使用頻度:★★★★☆
- 使用例:「下1剥がして!」
- 意味:最前管理にとって意図せぬ場所に最前管理外のファンがいる場合、最前管理にとって邪魔にならない場所に移動させる行為を「剥がし」と言います。剥がしは一般的には当事者との交渉によって行われます。しかし、交渉が決裂した場合、席を離れた瞬間に強制的に剥がし行為を行ったり、ライブ中に偶然を装って肘を当てるなどの嫌がらせを行って剥がしていくなど、武力行使がされることもあると言います。
バミ(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「どこのバミ使いますか?」
- 意味:最前管理はステージ上の推しの歌やダンス、MCをする位置を示す目印である「バミ」(番見)を重視します。バミはフロア側から見ると左側が下手、右側が上手となり、真ん中を「ゼロ」と呼びます。上手も下手もゼロから外側に向かうにつれて「1,2,3,4」とバミをカウントします。通常、「上手1番バミ」は「上1」、「下手1番バミ」は「下1」などのように省略して呼ばれます。ライブ中、最もメンバーが来るゼロや上下1のような中央に近いバミを「内バミ」、中央から離れたバミを「外バミ」、端っこのバミを「端バミ」と呼びます。どの会場でもステージ上にバミを示す「バミシール」が貼られています。最前管理は、推しメンを見る上でのベストポジションである「推しバミ」を各自持っており、その推しバミ通りに最前列に入ります。なお、一部の最前管理解説記事では「最前管理はマサイをするために広く場所を取っている」との解説がありますが、山本氏によればそのような事実はなく、最前管理は必ずステージのバミ通りに最前列を管理しているとのことです。
張り(名詞)、張る(動詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「上3張っておいて!」
- 意味:複数のグループが出演する対バンイベントなどで、お目当ての最前管理がいないグループ時に、場所取りをする行為の事です。
引き子(名詞)
- 使用頻度:★★☆☆☆
- 使用例:「今日引き子いませんか?」
- 意味:開場への入場整理番号がランダム配布されるイベントがあります。そうしたイベントでは、最前管理はランダム整理券を大量に引く「引き子」を大量に動員し早番の確保を図ります。通常、引き子としては他グループの最前管理や転売ヤーをやっている最前管理では転売ヤー仲間などが動員されます。
ポシュ(名詞)、ポシュる、ポシュする(動詞)、ポシュした、ポシュった(過去)
- 使用頻度:★★★★☆
- 使用例:「4枠ポシュっておいて!」
- 意味:物や体を使った場所取り行為を「ポシュ」と言います。十分な早番が確保出来なかった場合などに、上着などの衣類を最前列の柵にかけたり、手足を広げて場所取りをし、後から入ってくる仲間の場所を確保するのです。
BOT(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「BOT回します!」
- 意味:先着チケットを自動制御されたシステム(プログラム)を用いて優先的に確保するツールの事です。枚数選択やお目当て選択、決済方法選択など全ての工程が自動化されているため、人間ではありえない速度での購入が可能であるため早番が確保できます。しかし一般的にチケットを販売しているプレイガイドの利用規約などでBOTの使用が禁止されている場合が多いです。また、一部の法律における懸念もある購入方法です。
ま行
マサイ(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「全枠マサイ」
- 意味:アイドルファンは最前管理・最前管理以外も関係なく、推しのパートや曲の盛り上がる部分で連続ジャンプをします。その姿はまるでアフリカのマサイ族のマサイを彷彿とさせるため「マサイ」と呼ばれています。特に、最前管理は最前列の柵を手で押してマサイするため、安定感と高さのある安定したマサイを行います。
見たがり(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「○○(グループ名)見たがりします!」
- 意味:お目当てのグループとは別に、楽曲が強かったり、ライブが楽しいグループを見たい時に使う用語です。
揉め子(名詞)
- 使用頻度:★★☆☆☆
- 使用例:「揉め子いりますか?」
- 意味:剥がし行為(詳しくは「剥がし」の解説を参照)の際の交渉などが決裂した際に、武力行使するために動員される人員を「揉め子」と言います。現在は、従来よりもセキュリティ体制が強化され、安全対策がされているため、揉め子を動員しての武力行使は大幅に減少していると言います。しかし、現在でも一部のグループのイベントでは揉め子が動員されている例もあるとのことです。
モブ(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「あのモブだれ?」
- 意味:最前管理以外の後方のファンをモブと呼ぶことがあるようです。
ら行
リスバン回し(名詞)
- 使用頻度:★★★☆☆
- 使用例:「リスバン回しする」
- 意味:現在のアイドルイベントでは、入場者を確認するため色紙で作成された「リストバンド」、通称「リスバン」が入場者の手首に巻かれます。一部の最前管理は、このリストバンドを他の人から譲り受けてチケット代を払わずに、あるいはチケット代をリスバンの持ち主と割り勘して不正入場します。こうした、リストバンド制度を悪用した不正入場行為を「リスバン回し」と言います。この行為は、完全に違法な行為であり、この行為により警察に逮捕されている最前管理が存在するようです。
わ行
枠投げ(名詞)
- 使用頻度:★★★★★
- 使用例:「枠投げの協力お願いします!」
- 意味:イベントによっては最前管理行為対策などのためチケットを抽選販売しています。抽選販売チケットの場合、最前管理は繋がりのある他グループの最前管理や偽アカウントを大量に用いて、大量に抽選申込を行い、早番が確保できる可能性を高めます。この大量に抽選申込をする行為を「枠投げ」と言います。
最前管理とは
最前管理とは何か改めて解説します。最前管理は、ライブやコンサートなどのイベントで必ずいつも最前列にいるファンの事で、「最前管理」という用語は、最前管理を行う個人に対しても、組織の総称に対しても用いられます。
なぜ最前管理するのか
最前管理が最前列に異常なまでの執着を見せる理由にはいくつかのパターンがあります。その中でも、代表的な例を以下に紹介します。
マウントを取りたい
最前管理が最前管理をする理由の一つとして他のオタクへのマウントがあります。一概にマウントと言っても、最前管理が浸りたい優越感、マウントは多岐に渡ります。
- 他のオタクよりも前にいるというフロア内での立ち位置のマウント
- 最前管理をして高頻度で現場に通っている現場数に関するマウント
- 現場に通っているからこそ得られるメンバーとの信頼関係に関するマウント
- 特にガチ恋でなくてもメンバーと繋がるマウント
- 最前管理行為をしていること自体のマウント
推しにガチ恋している
最近の最前管理で増えているのがガチ恋オタクであると言います。推しをアイドルではなく一人の女性として好きになってしまっているオタク達です。こうした人々は、しばしば他の同担オタクに邪魔されない特等席で推しを見る為に最前管理に加入するようです。
柵を使ってマサイしたい
柵を使ったマサイが趣味で最前管理をしているオタクもいると言います
お祭り騒ぎしたい
最前管理は現場への参加率もほぼ全通で、一緒に通っている最前管理との絆は深くなります。そうした仲間たちと、最前列でお祭り騒ぎをするのが楽しくて最前管理をしているというパターンもあります。
上記で紹介したパターンのハイブリッドパターンなどもあります。
最前管理の歴史
最前管理の歴史には諸説あるようです。ここでは、「最前管理」とは?~在宅でもわかるアイドル・声優現場用語入門~」などの情報に基づいて解説します。
1900年代:最前管理の黎明期
この時代は、ダフ屋(チケットを買い占め不正転売をする組織)が、早番のチケットを管理し、様々なイベントの最前列も彼らにより管理されていたと言います。
2000年代初頭:財力で管理時代
ダフ屋行為自体の問題や、その売上が暴力団などの資金源になっている可能性などの諸問題により、法整備が進み、1900年代のような最前管理は急激に衰退したと言います。それに伴い、財力のあるファンがお金で張り子を雇い管理をするようになったとのことです。しかし、大抵の場合、財力のあるファンはかつてのダフ屋、現在では転売ヤ―の元締めなどをしている人物であり、1900年代の最前管理の名残は残っていたと言います。そして、そうした人物らは、AKBグループなどの現在のアイドル界を席巻しているグループの最前管理を、最初期から行ってきており、現在でも「権力者」として最前管理界隈から特別視されています。
現在:組織的な管理
現在は、互いに雇い雇われの関係ではなく、各最前管理が組織的に連携し、協力をすることで最前管理が行われています。コロナ禍直前までの地下アイドルが最も勢いがあった時代には、比較的若い最前管理が多く、若さの勢いで様々な不正行為が行われ、最前管理が行われていました。コロナ禍以降は、若い最前管理が激減し、どこの最前管理もいわゆる「おじさん」だらけになっていると言います。
最前管理内における役割分担
現在の最前管理は組織的・計画的に行われており、徹底した役割分担が行われています。
- 入場役
イベントの開場に行き、入場をし、管理枠を確保する役割 - チケ発役
高速BOTの開発・運用を行い早番チケットを確保する役割。場合によっては、外部のBOTへのチケ発依頼を行う。 - 連絡役
対バンイベントなどで、出演グループの最前管理達と連絡を取り、チケ発、入場、張りなどの調整を行う。 - 張り役
お目当ての最前管理がいない管理枠を、後続のグループの最前管理の為に場所取りをしておく役。
代表的な役割は上記の通りですが、他にも「揉め子役」(詳細は「揉め子」の用語解説を参照)や「壁子役」(詳細は「壁子」の用語解説を参照)など様々な役割が存在しています。
「1グループ1最前管理」の原則
最前管理は、通常1グループあたり1つしか存在しません。よって、複数のグループが出演する対バンイベントなどでは、各出演グループの最前管理間で事前に連絡を取り合い、必要となる管理枠を確認し、その管理枠通りに各グループの最前管理が入れ替わるように最前列のバミを管理します。出演グループ数が多いイベントでは、スプレッドシートなどでタイムテーブルとバミが記載された「バミ表」というものが作成され、計画的に最前列が管理されます。
なお、1グループ1最前管理の原則には例外があります。それは、事務所内掛け持ち最前管理です。現在は、各アイドル運営事務所が複数のグループを抱えていることが多いため、同じ事務所に所属するグループは自ずとイベントが被る機会が多くなります。その結果、同じ事務所に所属する複数グループを管理する最前管理が現われるのです。
最前管理におけるヒエラルキー
山本氏曰く、最前管理は厳しい縦社会で、明確なヒエラルキーが存在していると言います。絶対に怒らせてはならない権力者が存在し、権力者に目を付けられると最前管理はおろかオタク活動すら出来なくなる可能性があるほどの闇が存在すると言います。
最前管理の歴史で既に解説したように、最前管理のもともとの母体は暴力団などと繋がっている可能性のある組織です。そして、未だにそうした時代を生き抜いてきた最前管理も存在しており、そうした人物らは全員「権力者」として、他の「モブ最前管理」から恐れられると共に、尊敬されています。最前管理の一員であったとしても、自分よりも遥かにヒエラルキーが高い人物がお目当てのグループで見たがりをする場合、お目当てのグループを最前列で見ることができない例もあると言います。
最前管理のヒエラルキーは大まかに以下の通りです。
- 1900年代やAKBグループの初期から最前管理をしている絶対的権力者
- 上記の絶対的権力者の下っ端として直接面倒を見てきてもらった人物
- 絶対的権力者とは直接面識はないが、その下っ端と繋がっている人物
- 1,2と繋がりはないが、間接的に連絡が取れる人物
- 事務所のグループ最前管理全体をまとめている人物
- グループの最前管理をまとめている人物
- その他モブ
対バンイベントなどでは、お目当て以外のグループの際には一般的に張り行為によって管理枠をキープします。最前管理内でのヒエラルキーが高い人物であればあるほど張り役をする必要はなく、下っ端集団が最前管理内で偉い人のためのバミを死守します。もしも、バミの死守に失敗した場合、厳しいペナルティが課されることもあると言います。
一般的に、規模のでかいグループに行くほどに最前管理内でもヒエラルキーが高い人物が最前管理をしているケースが多く、規模の小さい地下グループに行くとヒエラルキーが低い人物が最前管理をしています。
最前管理に係わってはいけないと言われている根本的な原因は、こうした最前管理の裏にある組織図の闇深さに起因するところもあります。
最前管理への賛否両論
古くから最前管理に対しては賛否両論、様々な意見が交わされてきました。その一部を以下にご紹介します。
賛成派の主張
誰よりも現場に通ってグループ・メンバーの動員に貢献している
- 最前管理は、ほぼ全構成員が全通かそれに近い頻度でライブ現場に通っています。それは、多くの人が参加が難しい、平日のイベントであったとしても例外ではありません。つまり、ほぼ全現場で最前管理はグループやメンバーの動員に貢献していると言えます。また、TIFなどの争奪戦、ワンマンライブなど、動員数が重要なイベントとなると、最前管理は最前管理ネットワークを活用し、他現場から大量の動員(招待者)を呼び、貢献します。こうした点から、最前管理並みの情熱と頻度で現場に通っていない人物がアンチすべきではないとする賛成派の主張があります。
物販でも大量にお金を落としてグループ・メンバーの売り上げに貢献している
- 一部の最前管理に関する記事では、最前管理は物販でお金を落とさないただの害悪であるとされていますが、山本氏によればそのような事実はないと言います。というのも、最前管理は他のオタクがほとんどいないイベントでも全て参加しているため、1現場辺り費やせるリソースが低頻度でしか現場に来ないオタクよりも限られているためと言います。実際、一月当たりのチェキ撮影枚数などを見れば、大半の最前管理が一部の最前管理外のオタクを除いて、他のオタクを凌駕する量のチェキを撮影しており、売り上げへの貢献をしていることは疑う余地がありません。
これらの賛成意見には、一理あります。そして、上記のような状況もあるためか、最前管理を否定しない運営やアイドルが存在することも事実です。しかし、グループやメンバーに貢献しているからと言って何をしてもいいというわけではありません。
反対派の主張
不正行為・犯罪行為を行っている
- 最前列はファン全員にとって特等席ともいえる場所であり、その争奪戦は時に非常と激しいものとなります。そんな激しい争奪戦で常に勝ち続け、最前管理を行うことは普通の方法では不可能です。そこで、最前管理はルールで禁止されているBOTを用いたチケ発を行ったり、整理番号削りを行うなどの不正行為に手を染めている場合があります。
最前列でのマサイが邪魔で後ろの人が見えない
- 最前管理は最前列に設置されている柵を利用することで高いマサイを行います。これが邪魔でステージが見えないという主張があります。
新規が最前列で見れない
- 「最前列が常に同じ顔ぶれでメンバーがかわいそう」や「新規が前で見れるべき」という主張があるようです。
張りの最中ライブを見ずにスマホを弄ったり駄弁っている
- 最前管理は、お目当て以外のグループの張りでつまらないライブでは平気で最前列でスマホをいじるそうです。そうした行為が、当該グループのアイドルやファンから批判されています。
最前管理は、自身のお目当てに集中・執着するあまりに周りが見えなくなり、時に迷惑な行為を行い反感を買ってしまうようです。その一方で、「最前管理」とは?~在宅でもわかるアイドル・声優現場用語入門~」などでも指摘されている通り、ただの嫉妬で批判をしている例も見受けられます。
最前管理賛成派と反対派の論争は、互いの正義のぶつかり合いであるため、決して解決することはないでしょう。
最前管理になるには
ここまで最前管理に関する様々な情報をご紹介してきました。では、最前管理になるにはどのようにすればいいのでしょうか?
現場に全通して、話しかけて仲良くなる
最前管理になる方法の一つは、現場に全通して、最前管理に話しかけて仲良くなることです。そうすることで、まずは最前管理が余らせている早番を貰える立場を獲得します。その後、さらに交友関係を深めながら現場に通い続けます。最前管理のメンバーに既に同担がいる場合は、これでも最前管理に入れない場合がありますが、最前管理に同担がいない場合は、最前管理に勧誘される可能性があります。
全現場早番を持っていき、謙虚に交渉する
知り合いにBOTを使用している人がいればその人に頼んで早番を取得してもらいましょう。また、知り合いにBOT使用者が存在しない場合は、チケ発代行業者を使用するなどしてどんな手段を使ってでも早番を獲得しましょう。ここで重要なのが、最前管理よりも早番を獲得しても、最前管理に事前にDMで連絡したり、現場で話しかけて謙虚に交渉することです。しばらくの間、全イベントで早番を持って行き続けると、最前管理に勧誘される可能性があります。
まとめ:最前管理とは?そのメリットとデメリット、今後
この記事では、アイドル現場における最前管理の正体に関して、多角的視点で徹底解説してきました。この記事の最後となるこのセクションでは、最前管理のメリットとデメリットに関して、最前管理、最前管理外、メンバー、運営それぞれの視点から考察し、最後に最前管理の今後に言及したいと思います。
最前管理のメリット
最前管理視点
- 最前列で他のファンの頭などに邪魔されずライブが見れる
- 優越感に浸れる
- 柵を使ってマサイ出来る
- 全現場一緒に通える仲間が出来る
- チケ発を忘れても最前で見れる
最前管理外視点
- 自分が行けない現場でも最前管理がグループやメンバーを支えてくれる
- 最前管理が余らせた早番チケットを安く入手できるかもしれない
- 生誕で最前枠を用意してくれるかもしれない
- 招待枠として無料でライブに呼んでくれるかもしれない
メンバー視点
- 絶対に自分の為に来てくれる最前管理がいるかもしれない
- 物販でお金を使ってくれる
- 楽しそうにライブを見てくれる
運営視点
- 動員が重要な時に大量の招待で動員を用意してくれる
- 普段から現場に足を運んでくれる
- 物販でお金を落としてくれる
最前管理のデメリット
最前管理視点
- 不正行為や犯罪行為により出禁になったり、社会的制裁を受ける可能性がある
- 掲示板などで晒され、アンチされる可能性がある
- お金と時間の無駄
最前管理外視点
- 最前管理がいないと、自分がいない現場で動員ゼロがあり得る可能性がある
- 最前管理のおこぼれ早番が貰えない
メンバー視点
- 最前管理が自分の担当を排除してしまう可能性がある
- 犯罪者や危険人物が自分の担当最前管理である可能性がある
運営視点
- チケットが不正転売される可能性がある
- 最前列の柵の破壊行為などにより、グループのイベントへの参加権利などに悪影響を与える可能性がある
最前管理の今後
最前管理も時代と共に刻々と変化しています。
最前管理は従来、反社会的な組織に非常に近しい存在でしたが、現在では、情熱を持って現場に通い続けている人たちの集団になりつつあります。しかし、かつての最前管理による悪事による風評被害は現在でも根強く残っており、SNS上では偏見を含む様々なアンチ意見が存在しています。
最前管理以外のファンは、一昔前の極悪最前管理の印象に囚われず、最前管理と接してみると良いでしょう。一昔前と異なり、意外にも話が通じる人が多いと聞きます。また、最前管理も過去の過ちを繰り返さないよう、最前管理外のファンと共存するための配慮を忘れてはいけません。
残念ながら、現在でも一部には時代遅れの「極悪最前管理」が存在します。そうした、人々は自身の行動が、最前管理行為のみならず、推しているメンバーやグループ、さらにはアイドル業界全体に悪い印象を与え、悪影響を及ぼしていることを自覚し、行動を改めるべきでしょう。いずれにせよ、現代はSNS文化の発達により、悪事や非道徳的な行動は即座に拡散されアンチされる時代です。したがって、今後、極悪最前管理はより一層淘汰されていくものと予想されます。
最前管理自体はアイドル業界から消えることは決してないでしょう。例え今存在している最前管理を一掃しても、現在2列目で見ている人たちが最前管理を始めるだけです。今後も時代と共に変化し続けるであろう最前管理の姿の移り変わりに注目していきましょう。