地下アイドルを応援するオタク達のオタ活(推し活)には、いくらぐらいお金がかかるのでしょうか?
地下アイドルオタクは、一見すると気軽に始められそうな趣味に見えて、実は「想像以上にお金がかかる」と感じる人も少なくありません。ライブのチケット代やチェキ代、遠征費用、グッズ購入にプレゼント……推しを応援するための出費は多岐にわたります。
最近、「推し活」は話題の趣味となっており、様々なテレビ番組で推し活に係る費用が紹介されています。アイドルのオタ活は、年間数万~十数万円程度と紹介されることが多いですが、それは本当なのでしょうか?
本記事では、地下アイドルを応援するオタクたちのリアルなお金事情を詳しく紹介していきます。
地下アイドルのオタ活にかかる費用とは?

■ チケット代
地下アイドルといえば、演者のパフォーマンスとフロアのコールで作り上げる熱いライブです。しかし、ライブに参加するにはチケット代を支払う必要があり、チケット代は地下アイドルの出費の定番です。
最近の地下アイドル現場では、エリア別にチケット価格が分かれるのが一般的です。以下は、エリアごとのチケット代のおおよその相場です。
エリア・券種 | 価格相場 |
---|---|
前方・優先 | 3000円〜10000円程度+ドリンク代 |
通常・後方 | 前方・優先の半額程度+ドリンク代 |
無料・無銭 | 0円+ドリンク代 |
また、大規模なフェスや生誕・ワンマンになると、最前やVIPエリアのチケットが数万円〜数十万円に達することもあります。
特に生誕祭や卒業ライブなどの“特別な日”には、最前確保のために高額チケットを購入するファンも珍しくありません。
また、観覧位置に強いこだわりを持つ最前管理やカメコの中には、チケット自動購入システム・BOT所有者やチケ発業者に早番チケットの取得を委託している場合もあり、その場合は、チケット代以外にBOT代や業者取得代行費のような追加費用が発生している場合があります。
■ ドリンク代
ライブハウスで開催されるイベント参加には、チケット代に加えて必ずドリンク代が別途必要です。
かつては500円が相場でしたが、最近は物価高騰の影響で600〜800円程度に上昇しています。
ライブ1回あたりは小額でも、地下アイドルはライブ現場数が多いため、週に複数回通うと月に数千円〜数万円近くになることもあります。
■ チェキ代
地下アイドル現場での出費の定番といえばチェキです。推しのアイドルと一緒に世界でたった一枚の2ショットを撮れる貴重な機会です。
チェキの価格はグループや事務所、人気度によって異なります。チェキ1枚当たりの値段の相場は以下の通りです。
地下アイドルのクラス | 相場価格 |
---|---|
地底アイドル(駆け出しグループなど) | 1,000円前後 |
一般的な地下アイドル | 1,500~2,000円 |
中堅クラス以上の地下アイドル | 3,000円以上 |
地底や地下アイドルでは、サイン付きチェキが一般的ですが、話したこともない初見のアイドルにいきなり2,000円などのお金を払うのは躊躇われることもあるでしょう。そのため、サイン無し1,000円、サイン有り2,000円などのように、金額に応じたサインの有無やトーク時間延長、初見限定の無料チェキなどのオプションを設けることで、初見やライト層のオタクから、コアなオタクまで、多様なオタクのニーズに広く対応している物販が多くなっています。
新規無料制度などを戦略的に活用することでチェキ代を安く抑えているオタクもいれば、1日に数十枚のチェキを積む人もいます。仮にチェキ1枚が1,500円のグループで、1日10枚のチェキを撮れば15,000円になります。そして、一カ月で10現場(イベント)に参加すれば、チェキ代だけで月間150,000円もの出費になるという事になります。15万円と聞いて高いと感じる方が多いかもしれませんが、推しのアイドルのためなら金額に糸目をつけない人が多いのが、地下アイドル現場の実情です。
■ 交通費
地下アイドルのイベント開催地は、グループが拠点としている地域周辺から全国、場合によっては全世界まで、多岐に渡ります。そのため、交通費は推しているグループが拠点としている地域や住んでいる場所、職場との距離など、様々な要因によって大きく変わります。
例えば、会場が生活圏にある人の場合、通勤で使用している定期などの利用が可能なこともあり、交通費は実質無料〜数百円程度と非常にリーズナブルになります。しかし、遠方からの参加、特に県外や海外遠征となると数千円〜十数万円に跳ね上がります。
■ 遠征費(宿泊・交通込み)
推しが地方でライブを行う場合、オタクは「遠征」に出ます。遠征では、普段とは違う環境に推しと一緒に行くことが出来、遠征ならではの特別な思い出が作れます。そのため、普段から通っている多くの人が、推しの地方遠征に着いていきます。そんな遠征には以下のような費用が必要となります。
項目 | 価格相場 |
---|---|
イベント参加費(チケット・ドリンク・物販) | 5,000~数万円程度 |
交通費(新幹線や高速バス代) | 片道5,000〜15,000円程度 |
宿泊費(1泊;ビジネスホテルで) | 6,000〜10,000円程度 |
飲食費 | 5,000~10,000円程度 |
まずは、現地に向かうための新幹線や高速バス、場合によっては飛行機代が必要となります。また、現地への前のりや数日にわたる遠征であれば、宿泊代が掛かります。さらに、遠征地での食費も必要になります。これらを合計すると、1回の遠征で総額3万〜5万円以上は見積もる必要があります。
これを月に数回行う猛者も存在します。しかし、オタクも様々な節約を行っています。例えば、オタクが所有する車に相乗りして下道移動することで遠征交通費を浮かせたり、遠征地の知り合いのオタクの家に宿泊することで宿泊費を浮かせたりなどの工夫があります。
■ 招待費用
近年、地下アイドル現場で増えているのが招待制度です。
推しの生誕ライブやワンマンライブを成功させるため、オタクが新規や知り合いのオタクを招待することで動員数を稼ぐ仕組みです。
招待人数は、数人〜数百人まで規模は様々です。仮に、招待用チケットが1枚1,000円で、それに加えてドリンク代が600円がかかる場合、50人招待すれば8万円にもなります。
招待した人数に応じて、オフ会・プリクラ同行・夢の国デートなど、特典が設定されている場合もあり、ガチオタは数万円〜数十万円を自腹で負担して推しを支えることもあります。
■ プレゼント・差し入れ代
推しへのプレゼントや差し入れも地下アイドルオタクの出費の一つです。
プレゼントは多岐に渡り、手紙・お菓子・ぬいぐるみなどの数千円程度の気軽なものから、ブランドコスメや高級アクセサリーなど数万~数十万円もする高額品まで幅広く存在します。
事務所によってはプレゼントの金額制限や内容の規定(生き物や生もの禁止など)がある場合もあります。
■ オタク同士の飲み代・交流費
地下アイドルはイベント数が多いため、イベントで毎回会うオタクと、共通のグループを応援している同志として仲良くなることがよくあります。
オタク仲間は互いの素性を一切知らないことも珍しくありませんが、だからこそ日常のしがらみから解放され、何も気にせず趣味を語り合える最高の仲間です。そして、そんなオタク仲間とアイドル現場終わりに打ち上げをしたり、仲間内でオフ会をするのもオタク文化の一部です。
例えば、イベント終わりに会場近くの居酒屋で軽く飲めば1回3,000〜5,000円程度が必要となります。また、遠征先ではその現地の食べ物を楽しむ為にもう少し費用が掛かるケースもあります。その一方で、最近は会場周辺のコンビニやスーパーで安くお酒やおつまみを仕入れての路上飲食が盛んになっています。
こうしたオタク仲間との飲食は推し活とは直接関係なくても、共に戦う仲間との交流として出費を惜しまない人も多く存在します。
以上が、地下アイドルのオタ活にかかる代表的な費用項目です。次章では、「なぜそこまでしてお金をかけるのか?」という、オタクたちの心理的背景や消費行動の傾向について深掘りしていきます。
オタクたちはどこにお金を使っているのか?

地下アイドルのオタ活における支出は、単なる「趣味の出費」ではなく、オタクたちにとって自己表現や推しとの関係構築の手段でもあります。ここでは、彼らがどんな思いや目的を持ってお金を使っているのか、代表的な傾向や心理的背景を紹介します。
■ “積み”文化の存在
地下アイドルのオタク界隈で特に特徴的なのが、「積み」と呼ばれる行為です。これは、同じグッズやチェキを複数枚購入する行動のことを指します。たとえば、1枚1,500円のチェキを10枚、20枚、時には50枚以上も一度に撮る人も珍しくありません。
なぜそんなことをするのか? その理由はさまざまですが、推しに「認知」してもらうため、「特典の参加条件を満たすため」など、“見返り”を求めた積極的な消費がその動機です。
■ 認知されたい心理:推しに覚えてもらうための出費
「覚えてもらえたらうれしい」「名前を呼んでもらいたい」「レスが欲しい」——これは多くのオタクに共通するモチベーションです。チェキの回数を増やすことで、推しと話せる時間を積み重ね、関係を築いていくのが一つの目標です。
結果として、1回のライブで数万円単位の出費が常態化しているファンも少なくありません。
また、他のオタクと差別化を図るために、高額なプレゼントや特典付きチケットを購入することも、「特別なファン」になるための手段とされています。
■ ファン同士の競争意識
オタク界隈には、“推しへの貢献度”を他人と比べてしまう文化が存在します。
- チェキ枚数の多さ
- 招待人数の多さ
- SNSでの影響力
- 特典会での“立ち位置”
など、目に見えない「ランキング」のようなものがあり、「あの人よりも推しに貢献したい」「一番のファンと思われたい」という意識が消費行動を後押しします。
この競争が、オタ活における課金レースを生む大きな要因になっているのです。
■ 特典・インセンティブに動かされる
多くの地下アイドルグループでは、購入枚数や参加現場数、招待人数などに応じて、以下のような特典を設定しています:
- 特典会参加(プリクラ、2ショット撮影など)
- 特別チェキ(お絵描き、サイン入り)
- オフ会や1日デート風企画
- SNS投稿でのメンションや感謝動画
こうした“特典商法”に応じる形で消費を積み増すファンも多く、「この機会を逃したくない」という気持ちが財布の紐を緩める理由になります。
■ 「推しの夢を叶えたい」という支援意識
もう一つ忘れてはならないのが、推しの目標達成をサポートしたいという強い気持ちです。
- ワンマンライブを成功させたい
- CDリリース枚数でオリコン入りさせたい
- SNSフォロワーを増やしたい
- 地上波メディアに出してあげたい
こうした“夢”を一緒に追いかけることが、オタクにとって自己実現の一部になっていることもあります。
「使ったお金の分だけ、推しの未来が変わる」。そのような思いが、自発的な課金行動を正当化し、さらなる支出へとつながっていくのです。
このように、地下アイドルオタクの出費は単なる「浪費」ではなく、人間関係の構築・社会的な役割・感情の報酬と密接に結びついています。次章では、そんなオタ活を続けるために、彼らがどんな職業に就き、どのようなライフスタイルを送っているのかを見ていきましょう。
地下アイドルオタクの職業とライフスタイル

地下アイドルの現場に頻繁に通い、ライブや特典会、遠征にお金と時間を注ぐオタクたちは、一体どのように生活しているのでしょうか?
彼らの多くは、日々の仕事とオタ活を両立させながら、自分なりのペースと優先順位でライフスタイルを組み立てています。この章では、地下アイドルオタクによく見られる職業や、オタ活を可能にする生活設計について紹介します。
■ よく見られる職業タイプ
① 会社員(正社員・派遣社員)
もっとも多いのが、平日の日中に働きながら、夜や休日に現場へ通うスタイルの会社員層です。
- 安定した月給があるため、チェキ代や遠征費を計画的に捻出
- 土日休みであれば、地方遠征にも対応しやすい
- ボーナス時期に合わせて「積む」人も多い
ただし、勤務時間の制約があるため、平日の昼開催イベントや平日遠征には参加しにくいというデメリットもあります。
② フリーター・アルバイト
時間の自由度を重視するオタクには、シフト制で動けるフリーター層も多く見られます。
- 平日の昼現場や、連日の追っかけがしやすい
- 給料は不安定でも、「推し最優先」で生活を調整
この層は、「1日でいくら稼げば今日は○枚積める」といった形でオタ活と労働が直結した価値観を持つ人が多いのも特徴です。
③ 夜職(ホスト・キャバクラなど)
一定数存在するのが、夜職で高収入を得ているオタク層です。
- 短時間で大きな金額を稼げるため、“積み”に強い
- 推しに高額のプレゼントや特典参加で注目されやすい
一方で、収入が高い分、「他人と差をつけたい」「最前を取りたい」といった競争意識も激化しやすい層とも言えます。
④ クリエイター・在宅ワーカー・フリーランス
デザイン、ライター、エンジニアなど、時間と場所に縛られにくい働き方を選ぶ人たちです。
- 昼現場や遠征にも対応しやすく、時間の自由度が高い
- 収入が不安定な分、「推し活とのバランス」に常に悩む場面も
在宅で仕事をしながら、推しの配信をBGM代わりにするなど、生活の一部にオタ活を自然に組み込んでいる人もいます。
■ オタ活中心のスケジュール管理
オタクたちは、推しのスケジュールを最優先にして生活を組み立てる人が多くいます。
- 「推しの出演イベントがある日は必ず空ける」
- 「遠征予定がある月は家計を削って資金確保」
- 「仕事のシフトをライブ日程に合わせて調整」
中には、ライブに行けない週は「何か物足りない」と感じるほど、日常に“推し活”が組み込まれている人も多数です。
■ オタクとしての自覚と生活の工夫
オタクたちは、ただ散財しているわけではありません。
限られた収入の中で、「どうすればより効率よく推せるか」を常に考えています。
- 飲み会や外食を控える
- 節約してグッズ資金に回す
- リセール・メルカリなどでグッズを売買し資金を回す
- 交通費の安い移動手段(高速バス・深夜便)を使う
このように、“推すための生活設計”をしているオタクが多く、まさに「推し中心のライフスタイル」が確立されているのです。
次章では、そんな彼らがどうやって資金を稼ぎ、オタ活を成立させているのかに焦点を当てていきます。正社員やバイトの枠を超えて、近年では転売や副業、せどりで稼ぐオタクも増えています。
どうやって稼いでいるの?収入源のリアル

地下アイドルのオタ活を続けるには、継続的な資金が欠かせません。
頻繁なライブ通いや遠征、多数のチェキや特典参加には、月数万円〜数十万円の出費が発生するケースも多いです。ここでは、オタクたちがどのようにしてその資金を捻出しているのか、リアルな収入源について見ていきます。
■ 正社員・派遣社員としての安定収入
もっとも基本的な資金源は、会社勤めによる月給収入です。
- 月収20〜30万円前後の中から、生活費とオタ活費をバランスよく配分
- ボーナスの時期には「積みに全額投下する」人も
- 定時退勤で平日現場にも通えるかが、オタ活との両立ポイント
収入が安定している一方で、時間の制約がネックになるため、「行きたい現場に行けない」「特典参加条件を満たせない」などのジレンマもあります。
■ 副業・Wワークで資金を確保する人も
最近では、副業やWワークでオタ活資金を確保している人も増えています。
- フードデリバリー(Uber Eats、出前館など)
- コンビニ・深夜のアルバイト
- 単発バイト(イベントスタッフ、派遣など)
- ライブ配信アプリでの“投げ銭”副業
こうした副業は、本業の隙間時間や休日を活用できる点が魅力です。
「このバイト1回でチェキ○枚分稼げる」といったように、オタ活との“換算思考”で働いている人も少なくありません。
■ 転売・せどりで稼ぐオタクも存在
近年、資金調達の手段として注目されているのが「転売(せどり)」による収入です。
▶ 限定グッズやチケットの転売
- 推しの生誕グッズや、完売したライブチケットを定価以上で転売
- フリマアプリ(メルカリ・ラクマ)やチケット取引所を活用
▶ 一般的なせどり(仕入れて売る)
- 限定コラボスニーカーやブランド品、コンビニくじ、フィギュア、CD・Blu-ray、アニメ系アイテムなどを大量仕入れして利益を出す
- 平日は仕事、週末はリサーチ・発送に充てるというスタイル
▶ 社会的な賛否
こうした転売行為は一部では「推しを利用して稼ぐ行為」として批判の声もあります。また、チケットの高額転売は、法的にも規制されている違法行為です。ただし、オタク自身がその利益を推し活資金に“全振り”している場合、自己資金の拡張手段として肯定的に捉えている人も存在します。
■ クレジットカードや借金での“自転車操業”も
資金繰りがうまくいかず、クレジットカードのリボ払いやキャッシングに頼るオタクも一部存在します。
- 「目の前の特典や積みチャンスを逃したくない」
- 「後悔するぐらいなら借金してでも推す」
このような心理に駆られてしまい、生活に支障が出るほどの出費をしてしまうケースもあります。
SNSでも「クレカで推し活を続けた結果、自己破産寸前」という体験談が時折話題になります。
オタ活と金銭感覚のバランス管理は非常に重要です。
■ 節約術や貯金術でコツコツ推すタイプも
一方で、堅実にオタ活を楽しむために、地道な節約や貯金を意識しているオタクも多く存在します。
- 毎月「オタ活口座」を作り、自動で貯金
- 交通費を抑えるために深夜バスを活用
- 飲み会やファッションを削って、推しに全力投資
「自分の生活を犠牲にしすぎず、でもできる範囲で推す」という堅実オタクの存在もまた、地下アイドル文化を支える大切な一面です。
次章では、こうしたオタクたちが語る実際の体験談やエピソードをご紹介します。SNSやネット掲示板などで見られる“リアルな声”を通じて、オタ活にかける情熱と現実のギャップをお届けします。
オタクたちの声 ── リアルな体験談・エピソード

地下アイドルのオタ活は、推しへの愛と応援の気持ちが詰まった“ライフワーク”です。ここでは、SNSやネット掲示板などで見られる実際のオタクたちの声や体験談を紹介しながら、どれだけのお金がかかるのか、それをどう支えているのか、そして何を思っているのかを紐解いていきます。
※すべて匿名・要約形式で掲載しています。
■ 「月10万円は普通。生誕月は30万円を超えることも」
推しの生誕月だけで、チェキ100枚積んで10万、特典チケットで5万、プレゼントで5万くらい。飲み代とか含めたら30万いってた。でも後悔してない。あの笑顔はプライスレス。(20代・男性)
ガチ勢の中には、生誕や周年ライブで一気に資金を投入するタイプも。「ここで頑張らなきゃ意味がない」「推しの記憶に残りたい」という気持ちが大きな原動力になっています。
■ 「招待に30人分出したら軽く5万円超えてた」
招待集めで30人分のチケット+ドリンク代をこっちで負担した。推しから『○○さん、ありがとう』って言われた瞬間、報われたと思った。(30代・女性)
招待制度のある現場では、“オタクが新規の費用を肩代わりする”文化が存在します。それだけの出費をしてでも、推しからの感謝や特別な扱いを得ることに価値を感じる人が多いのが特徴です。
■ 「フードデリバリーの副業で遠征費を稼いでる」
推しが大阪でライブするってわかった週は、ウーバー3日間で2万円稼いだ。推しのためなら足腰痛くても走れる。(20代・男性)
本業の給料では足りない分を副業でカバーするスタイル。特にフードデリバリーや日雇いバイトは、推しのスケジュールに合わせやすい柔軟な働き方として人気です。
■ 「借金してまでオタ活してた。気づいたらリボ払いが50万円」
気づいたら毎月の支払いが追いつかなくなってて、生活が破綻しかけた。今は反省して、推し活用の予算を決めてやってる。(30代・男性)
推しを応援する気持ちが強すぎて、自分の生活や将来を犠牲にしてしまうケースも。SNS上では「限度を超えて推すことの危険性」や「推し活破産」というワードも注目されており、自制と計画性の大切さを訴える声も多く見られます。
■ 「節約しまくってでも推したい。服より推し。」
服はユニクロ、ランチは手作りおにぎり。でも推しのCDは10枚買う。推しは私の生きがいだから、全然苦じゃない。(20代・女性)
日常の出費を徹底的に見直しながら、推し活を最優先にする“堅実オタク”もいます。「お金をかければ推しが売れる」「ライブに人が増える」──そんな“未来への投資”としての消費意識が、多くのオタクたちを支えています。
■ 「推しのために生きてる。人生で一番楽しい今を過ごしてる」
お金も時間も推しのため。推しを応援してる今が、一番幸せって言い切れる。(20代・女性)
最後に紹介するのは、感情面でのリアルな声。費用は確かにかかるものの、それ以上に「心の充実感」や「生きがい」を得ているオタクは非常に多く、お金以上の価値を見出しているのです。
これらの声からわかるのは、地下アイドルのオタ活とは単なる趣味ではなく、生活そのものであり、人生の目的である人もいるということです。次章では、ここまでの内容を総括し、「無理なく、でも楽しく推し活を続けるにはどうしたらいいのか?」をまとめていきます。
まとめ:自分の職業・収入源・ライフスタイルに合ったオタ活スタイルを見つけよう

地下アイドルのオタ活には、想像以上のお金と時間がかかります。
チェキ、ライブ、遠征、プレゼント、招待……出費の形は多岐にわたり、その金額もオタクによって大きく異なります。
しかし、どれだけお金を使うかがすべてではありません。重要なのは、自分の職業や収入、生活リズムに合った“無理のないオタ活スタイル”を見つけることです。
- 会社員なら、給料やボーナスを活かした計画的な推し活
- 副業やフリーランスなら、スケジュールの自由度を生かして現場重視
- 節約重視なら、コスパよく特典を得られる方法を研究したり、交流費を抑えたり
どんな立場であっても、「自分にとってベストな推し方」を考えることが、オタ活を長く楽しむコツです。
そして、どんなに小さな支援であっても、それが推しにとっての力になることを、きっと推しは分かってくれています。
無理なく、でも誇りを持って推せる──そんな自分なりのオタ活スタイルを、ぜひ見つけてみてください。